これはまだ前哨戦でしかないんだ。済まない。

今日は正月を跨ぐ関係でチャリが使えないので、3泊4日分の荷物を担いで歩いて駅へ。

真っ暗闇の中2.2kmを30分弱かけてトコトコ歩き、5:25発の2番電車に乗車。次に学研都市線に乗るのは、年が明けてからです。


環状線で大阪へ、相変わらずの暗闇の中を103系は走ります。頭に感じる起き抜け時特有の眠気さえなければ、完全に夜の様相。

大阪駅ハートインで長旅に備えてマガジンで燃料補給。結局、補給する燃料はいつもと同じなわけです。ほら、ガソリンで走る車がいきなり灯油で走行したりしないじゃないですか。それと一緒なのです。多分。


ネギまモブキャラ地獄で燃料満タンにしたあと、満を持して221系の快速に乗り込みます。目指すは京都。


走っているうちに、東の空が明るくなってきました。進行方向右側の窓に座り、吹田辺りの高台を走る電車から見る大阪平野の夜明け。この街とは、数日間だけお別れです。京都を目指し、電車は東海道本線を走る走る。


京都で湖西線に乗り換え。盆地気候特有の寒さに耐えながら京都駅のホームで待っていると、やって来たのは福知山色と新快速色の混色6両編成。

京都7:09発のこの列車は、北陸方面を目指す関西の18ユーザーにとっては結構有名な列車なのです。車内を見回すと、明らかにそれ系の方々がチラホラと。スノボの板を持っている客が居るのは、沿線に有名スキー場をいくつも抱えた湖西線ならでは。


様々な層の客を乗せた電車は、京都と滋賀の境となる逢坂山のトンネルを抜けていよいよ湖西路に踏み出していきます。

先ほどまでも沿線にチラチラ見えていた積雪の量が、滋賀県に入ったとたんに多くなりました。西大津を過ぎると雪も降り出し、もはや完全に旅気分。まだ京都を出てから15分程度しか経っていないのですが、普段と違う景色を見るだけで気分は大きく変わるものです。


湖岸に沿って北上を続ける117系。進むにつれ、どんどん雪は深くなっていきます。そんな中、高架の続く湖西線を電車はモーター音も高らかに爆走します。


京都から一時間余りで近江今津。ホーム端の除雪されていない部分には優に60cmはあろうかと云う雪が積み重なる中、更に雪は降り続けています。
この先にデッドセクションがあるため、北陸方面へ行くためにはここで乗り換えねばなりません。階段を使って隣のホームへ向かい、停まっていた普通列車の福井行きに乗り換えです。


電車は419系3連、所謂「食パン列車」。この車両、流石は元583系なだけあってボックスシートの座り心地は最強レベル。


流石は雪国の電車、積雪深1mはあろうかという雪を全く苦にすることなくガンガン突き進みます。近江塩津を過ぎると、間もなく巨大な雪覆いのシェルターに覆われたポイントを幾つも渡って滋賀と福井の県境越えの山道を登っていきます。

気がつけば先ほどまで雪が舞い散っていた車窓は何時の間にかコロリと変わり、青空の占める面積がだんだん広くなってきました。青空と白銀の山々。素晴らしい風景の中、電車は何時の間にか新疋田を出発。日本海に面する街・敦賀に向け、先ほどまでとは一転して坂を下っていきます。


敦賀で車掌と運転手が交代した電車は、すぐに長い長い北陸トンネルに突入します。モーターはかなり気前のいい唸り方をしてくれているんですが、速度計を見たところ精々90km/h。あらあら、そんなものですか。475系なんかだと、時々えげつない飛ばし方*1をしてくれるんですけどね。

今庄で後続の特急を2本連続で退避するため、10分近く停車。山間に佇む、実に静かな駅です。


その静寂を破るように、サンダーバードしらさぎが激しく通過。信号が変われば、こちらも間もなく発車です。停車時間は休憩タイム、車外に出て伸びをする客もチラホラ。


今庄の峠越えを終えた電車は、雪の雪原を疾走します。車窓右手には雪化粧した山々が青空に映え、実に綺麗。奥に見えるひときわ高い山は、白山でしょうか。是非とも走る列車のバックにして撮りたいところですが、残念ながら私はこの辺りの横がちに撮れる撮影地を全く知らないのでした。ぶっちゃけどこでも撮れそうな雰囲気でしたけど、駅から遠い上に雪深くて遭難しそうでしたし。


そんなこんなで列車は武生に到着。客が結構入れ替わります。

一緒に降り立った他の客が迎えの車や徒歩で街の方々に散っていく中、私は一人福井鉄道の駅へ。


って・・・あらあらあらら?何か発車ベル鳴ってるんですけど?



80形コカコーラ社ラッピング編成が丁度出て行くところでしたorz


気を取り直して福井新までの切符を買い、構内へ入ります。

先ほどまでと天気は一変、雪の吹き付けるホームで待つこと10分少々。遮断機の音とともに、福井方面からやって来た電車は・・・・・・80形福井鉄道オリジナル塗装キター!


と、ここでアクシデント。線路に100円落としました。

ちゃんとした大人なら諦めもつくんでしょうが、私は大人になりきれてないビンボー高校生。100円あったらコーヒーの一本でも買えるってものです。薄いコピー誌の1冊でも買えるってものです。

見過ごすのは勿体無い、ってことでウテシさんに許可を取って線路へ。線路内の雪の中にめり込み、完全に埋もれた100円を回収。ついでに写真も。



ボックスシートの並ぶ車内はかなりのくたびれっぷり。広告なんかも物凄い勢いでレトロ臭を醸し出しています。

やがて、ゆっくりと動き出す電車。これで吊り掛けなら申し分ない・・・というか多分今頃私は昇天してるのですが、残念ながらこいつはカルダン駆動。それでも時折食らう素晴らしいバウンド、心行くまで体感させて頂きました。

雪の中、夢のような30分弱の旅。ああ幸せ。


福井新で下車。後続列車&コイツの折り返しを撮るべく、撮影できそうな場所を求めて雪まみれの街中を彷徨います。

彷徨うこと10分、いい感じの踏切を発見。除雪された固い雪が1mほどの高さまで積み上がり、足場も申し分ありません。



ここで1時間ほど粘ったあと、市内線へ。道路上を鉄道車両が走るこの滅多に無いシーン、思う存分体感しようじゃありませんか。


数分待った末に来た列車は先ほど武生新で逃したコカコーララッピングの80形。ちなみにこの編成、先日踏み切りに詰まった雪で脱線して全国紙デビューした奴です。


早速コイツに乗り込み、先頭クハでかぶりつき。正直なところ京津線の方がレベルは上かと思うんですが、それでも萌えるものは萌えます。足羽川の鉄橋を渡ると、すぐに福井駅前の繁華街。まだ降りず、終点田原町の一つ手前の裁判所前で下車。成る程、駅前には立派な作りの如何にも裁判所然とした建物が威容を誇っています。駅名そのまんまです。


福井の繁華街に近いだけあって、この道路、かなり交通量が多いのです。道路から撮るとほぼ確実に車が被ってしまうので、電停から撮影することに。


まずは先ほど乗ってきた電車の折り返し。


続いて、元静岡鉄道の300形。三枚窓の憎めない(つーか、カワイイ)顔をしているんですが、コイツも廃車候補だとか・・・。

軌道に詰まった雪を撥ねているので、白煙が・・・。いい感じです。


福井鉄道を撮る上で最大の敵になるのが、その車体塗装。福井鉄道はほとんどの車両が広告車両になっているので、各車ともに色はバラバラ。赤、青、黄、白ともはや何でもあり。上の写真のように、先頭車ごとに色が違うなんてしょっちゅう。

となると、白飛びや真っ暗になるのを防ぐためには当然露出を変えねばなりません。ここに更に加わってくるのが、雪の問題。この雪、電車と絡めて撮るにはとても良い被写体でもあるんですが、これがまたいい感じに露出を狂わせてくれるのです。

この二つを加味して適正露出を決めるのが、結構骨の折れる作業。それが各車ごとにバラバラなものですから、もう大変。


この裁判所前電停を徒歩で後にし、福井駅前まで歩きます。写真を撮りながらゆっくり歩いてもせいぜい10分弱なので、大した距離ではありません。


福井駅前への分岐点付近で、再び福井鉄道標準塗装の80形を撮影。歩道は歩く部分だけ除雪されているので、このように歩道内から車道に近づいて写真を撮ろうとすると1m近い雪の中に足を踏み入れねばなりません。これには本当に骨が折れました。なんかもう、笑えるくらい必死です。

バックにほんのちょっとだけですが雪を抱いた山が写ってます。是非、これと絡めて撮りたかった・・・。


途中マクドで燃料を補給し、歩いて福井駅へ移動。ホームに上がると419系の武生行きが停まっていたので、これ幸いと飛び乗ります。さて、どこで何を撮影しましょうかねぇ・・・。


車内で先ほど買ったマックチキンを食べつつ時刻表をめくりながら考えた末、出てきたのはとにかく撮れそうな駅で降りようという安直な結論。


そして次の越前花堂で早速降りてしまうという、後先なんて何も考えていないアレな行動に出る私。こういうのも、たまにはいいものです。


すぐにカモレが来るようなので、ホーム端に1m弱は軽く積もっている雪を掻き分けて必死の撮影。靴はもうぐしょぐしょです。足に感覚がありません。


雪晴れの中を走る、コンテナに雪満載のパーイチ貨物。萌えぇ。


北陸は国鉄型の宝庫。普通列車の主力が急行形455・475系なんて、ぶっちゃけありえないです。
今回は出会えませんでしたが、以前見た&乗ったことがあるものでは1961年製の「クモハ451-1」なんてのが普通に生きてます。もう西クオリティ超絶炸裂です。素晴らしすぎるので、この地域に関してはこのままあと20年くらい放置プレイしといてください。



この敦賀行きを見送り・・・って、ちょっと待て俺。 見 送 っ た ?


雪の上に時刻表を放り投げてパラパラ。次の普通は平然と1時間後。ぎゃー(棒読み)。

とりあえず駅を出てみると、何やら北陸本線と逆の方向で踏み切りの鳴っている音がします。見遣ると、先ほど何度も見た福鉄の300形が道路を横切っていくではないですか。あ、そういえばこのへんは福鉄とJRの線路がほぼ平行してるんでしたね。


というわけで再び福鉄撮影。といっても、除雪されたあとの雪の壁に阻まれて撮影どころではありません。歩くのすら一苦労。一応雪国育ちなので、他の都会の人に比べれば雪道にはかなり慣れているという自負はあるんですが・・・。


ひとしきり撮り終えた後、越前花堂に戻ります。私が駅に着いた時点で既に到着予定時刻は過ぎているのですが、予想通り電車は来る気配すらありません。結局、583系顔の車両を先頭にした419系は15分ほど遅れての到着。

車内に入り、婆ちゃん一人で座っていたボックスにお邪魔します。青空の下、太陽光をまばゆいまでに反射する雪原を見ているうちに何故か眠気に襲われ、そのままおやすみう(略)。結局、次に気付いたのは北陸トンネルを走っている最中でした。
その目覚め方がよほど面白かったらしく、向かいの婆ちゃんに笑われました。それがきっかけですこしお話をしていたのですが、残念なことに敦賀はもうすぐです。結局、お話が出来たのは5分ほど。


敦賀では、次の電車まで1時間以上あります。日も傾き、薄暗くなってきました。
おまけに風が強いときているので、とても屋外に撮影に出る気にはなれません。大人しく、暖かい待合室で体を温めます。


発車の30分ほど前にホームに上がったのですが、乗る予定の米原行きは既にホームに停まっていました。また419系、結局今日は一日中この形式にばかり揺られていた事になります。いつもは419系と475系がほぼ1:1の割合、時々運がよければ413系・・・といった感じなんですけどね。巡り合わせが良いのやら悪いのやら。


しらさぎの遅れを受け、20分近く遅れて発車。もはや慣れました。
ただ、この分だと長浜での新快速との接続はほぼ絶望的。このあとのコミケ組との大阪での待ち時間に余裕を持っていて良かったです。。

やがて、各ボックスに1,2人が座っている程度の乗り具合で走り出した列車。外はすっかり青い空間が支配しています。

だれも話さない、音も立てない、至って静かな車内。響くのはモーター音だけ。


ループ線をぐるぐる回り、新疋田を過ぎ、すんなりと峠越えを済ませると電車は滋賀県へ入っていきます。近江塩津からは、大回りですっかりおなじみのルート。


案の定新快速は既に行ってしまった後だったので、米原までこの電車に乗り続けます。予定より30分遅い新快速の米原増結編成で、米原を後に。幸いな事に5本しか居ない1000番台V編成。通学で使ったり、こんな雪の中で乗ったり・・・。この編成、本当に色々な所でお世話になっています。


大阪でコミケ組の6人と合流。一気に大所帯になりました。

発車の20分近く前から、新快速の発着する8番ホームへ。こうしておけば、半分くらいの人間は席にありつけるはず。

テンションのメチャクチャ高い皆とポテチをつまみつつ待っていると、ほどなく新快速の接近放送が。話していると15分なんてあっという間です。


結果としてほとんどが席にありつけ、新快速は夜の東海道本線を東へ向けて走り出しました。東へ向かう私たちの勢いは、もう誰にも止められません。新快速と一緒に、皆のテンションも順調に加速していきます。とりあえずもうちょっと声のトーン下げよう、な!


京都を過ぎてもまだ通勤客の多い車内。既に同胞(?)はコミケカタログをペラペラとめくり、完璧に出来上がっちゃってます。もうだめだコイツラ。そして、それに合わせて一緒にサークルの位置をチェックする私。やっぱり私ももうだめなようです。


コミケカタログを必死こいてめくるダメ集団を乗せ、電車は快調に闇の湖東路を爆走します。


向かう先は、米原、大垣、そして帝都へ。


ふと気付くと、車内には結構「ソレ」目当ての同業者が乗っているようです。なんつーか、一目で分かるんです。仮に彼らor彼女らがまともなファッションをしていたとしても。

ま、要はオーラが出てるわけです。


私達の居る車端部ボックスの横の扉あたりにも、明らかにそれっぽい6人ほどの集団が・・・って、カタログ捲ってるじゃないですか。さてはその重そうなキャリーバッグの中身、会場に搬入する同人誌ですね。ほい同業決定。


そんな実に香ばしい方々を乗せた新快速は、真っ白な雪に覆われた米原へと辿り着いたのでした。


乗換え先の313系新快速でも、全員が席を確保。米原ダッシュ成功。まぁ、どうせ乗ってるのは30分程度なんですけどね。

暗闇の中ですが、どうやら雪が物凄い量積もっているらしい、ということだけはしっかりと分かります。流石は関ヶ原越え、ダテじゃありません。停車した駅のホームを見やると、駅名表がほぼ埋まっているではないですか。これには流石に、鉄分の薄い皆もビックリ。


大垣も雪がかなり残っています。今シーズンの雪、本当に尋常ではありません。

雪にはしゃぐ皆と一緒に駅を出て、コンビニへ買出しに。コイツラ、歩きながら雪合戦してます。のんきなものです。私なんか数時間前まで1mの雪に埋もれそうになりながら写真撮ってたんですってば!


コンビニ周りも、私達と同目的と云うことが一目で分かってしまうような実に香ばしい方々で一杯。流石はコミケです。もういろんな意味で言葉が出ません。このコンビニの若い兄ちゃん店員は、この軍団が目指している行き先のことを果たして知っているのでしょうか。


皆で「構内10km/h制限」の名物看板に笑ったりしながら、臨時ながら発車の10分ほど前にホームへ。ここでid:merahaicyu999さんと初顔合わせ。ダメな軍団でごめんなさい。


寒い中待っていると、やがて米原方から2灯のヘッドライトが近づいてきました。ムーンライトながら92号、降臨です。

・・・何故か幕が「快速 太海」なのはご愛嬌。


<明日の日記につづく!>

*1:以前、定時運転にもかかわらず113km/h爆走を目撃。オイこれ40年以上前の車だぞ。