ローカル線スパイラル


4:05に設定しておいた携帯アラームが私の前の簡リク座面でブルブル震え、起床。列車は丁度大きな駅に進入しているところらしく、ポイントを次々に渡りつつ速度を落としています。


お、ひょっとしてもう直江津着いちゃったのか?と思い、いそいそと下車の準備。が、何だか雰囲気が変です。あたりに止まってる車両が明らかに直江津っぽくないんです。


ふと気付いて駅名表を追うと、そこにあったのは「長岡」の文字。


・・・へ?


どうやら昨晩深夜に起きた上越線人身事故の影響で、列車はかなり遅れて走っている模様。な、何ですと。

長岡は運転停車なので、ドアは開きません。ここでは列車の進行方向が変わるのですが、寝転んでいる私にはそんなのあまり関係なし。

この列車が遅れているということを知ってどのような反応を示すかは人それぞれですが、とりあえず私は「うは、直江津での長い待ち時間が消えてくれてラッキーw」等と思いつつもう一度眠りについたのでした。
寝ぼけ眼のまま時刻表でスジを読む限り、長岡〜直江津間は特急「北越」でも50分ほど。この列車は途中駅無停車で突っ走るのですが、どんなに気合の入った回復運転で猛爆走したとしても40分程はかかるでしょう。そんなわけで薄っすら明るくなってきた窓の外を遠のく意識のなか見つつ、私は再び眠りに落ちていくのでした。


次に気が付いた時は、見事に直江津停車数分前。黒井の貨物ターミナルの横を過ぎているところでした。私の体、つくづく便利にできてるものです。



結局、直江津に着いたのは定時より1時間弱遅れて5時前。乗り継ぎの快速「妙高」の発車は5:26、結果的にはほとんど暇な待ち時間を食らうこともなく、ある意味運のいい遅れではありました。


ちなみにその後の「妙高」では先ほどの眠気がまだ残っていたせいか物凄い勢いでシートを2席占領して爆睡し、気付けば長野駅に着いていたという事実は華麗に伏せておくことにしましょう。まぁ、一度昼間に景色を見ながら通った区間ですし。


そのまま夢遊病の如く、とりあえず向かいに止まってた快速みすずにフラフラ乗って篠ノ井でこれまた何となく下車。そして折り返し、とりあえずしなのサンライズが撮れそうな駅を探して下車することに。

今井は影が伸びててだるい、川中島は島式ホーム。最後に残ったのは安茂里・・・なんですが、ここも正直微妙。線路間にはタイガーロープ伸びてますし、横に聳え立つ長野新幹線の高架のせいで影が中途半端にかかってますし。


それでも、長野の駅撮りよりはマシだろ・・・と判断してここで張ることに。


・・・が、こんな感じで数本撮った後に不意に嫌な予感がして手元の時刻表をパラパラ。そして、見事にその嫌な予感は現実味を帯びてくるのでした。


この駅、しなのサンライズ か ぶ り そ う 。


ですが、今更他の駅に移動する訳にもいきません。列車も時間もありません。

あちゃーやっちまったなー、と思いつつ待つこと10分ほど。私の居るホームに115系6連がやってきます。

向かいのホームにはまだ接近放送は流れていません。よし、これなら大丈夫・・・と思った瞬間、カーブの向こうから169系のものと思しきライトが見えるんですよねぇこれが。そして私の後ろにはようやくドアを閉めたばかりの115系、これはやられたか・・・。



・・・とまぁ一時は万事休すかと思いましたが、結局はこんな感じの間一髪ギリギリセーフで一安心。9両編成の169系は何ともなかったかのように、私の横を目も醒めるようなフルスピードでブッ飛ばしていったのでした。カッコエエ・・・。


そんなわけでコイツの撮影に関しては、信越本線内は正直どこも余りオススメしません。しな鉄内の方がいいかも。

この169系も近いうちに新型車への置き換えが計画されているとのことなので、撮るなら今のうち。しかも9連という往時の急行形時代の風格を香ばしく漂わせる長大編成となれば、記録する価値はかなり大きいです。

因みに夕方のしなのサンセットは3連なので、編成としての面白味にはかなり欠けます。


<つづく>