オフと土下座と爆走と。


そんなわけでレポ一日目。


起床は3時半。さっさと支度して自宅を4時40分頃出発し、住宅街と田圃の交じり合った朝焼けの道を歩くこと25分。JR津田へ向かいます。


まだ寝ぼけた街をバックに、ホームに進入してくる207系。乗り込むとすぐにドアが閉まり、列車は朝焼けの郊外を疾走していきます。


京橋・大阪と乗り換え、6:05発の始発快速長浜行きに乗り込んで高槻で下車。目標は勿論ムーンライト松山・高知撮影


・・・のはずだったんですが




ななななな、何ですかこれはー!


いきなり目の前を通過していったのは何とEF65に牽かれたC56-160とマイテ49-2。

ちょっと待てコラ。今2006年ですよ。時代錯誤もいいとこですよ。


早朝の高槻をシュッポシュッポと走る、EF65に牽かれたSLと昭和初期製造の動態保存客車。なんかもう、ただひたすらに凄いと云うかシュールと云うか不思議な光景でした。


興奮しつつも次の快速に乗車し、東を目指します。ここでid:cassiopeiaさんと合流。摂津富田で撮っていたカシオペアさんはどうやらSLを撮り逃してしまったようで・・・私なんかが撮っちゃっててスミマセンorz


京都でid:sosnaさんと合流、221系は早朝の眩しい日差しを浴びながら各駅に停まりつつ、着々と米原へと向かって走っていきます。


米原2分乗り換えはまさかの跨線橋乗り換えだったものの無事成功し、乗り継いだ先は117系の名古屋行き快速。こちら6両、向こう8両だったので米原ダッシュにしてはかなり難易度の低いものでしたが相変わらず慌しいことに変わりはありません。

琵琶湖畔を走る北陸本線と袂を分かち、関ヶ原を越えるべく東へ針路を取る東海道本線鈴鹿山脈を越える山間の路を117系は曲がりくねりつつ進みます。


色々と話が弾むうちに何時の間にか列車は快調に駒を進ませ、気付けばもう今回のオフ集合場所の岐阜は目前。時間はまだ9時ですが、私が居るのは関西ではなくもう中部。

JRの駅から少し歩いて、向かうは赤い車両がたむろする名鉄岐阜駅。事務所で3000円のまる乗りフリーパスを購入していざ構内へ。このフリーパス、昼間に特別車両乗り放題なのはいいんですがちょいとばかり高すぎる気がします。正直特別車両に乗れないでもいいので、もうちょっと安いタイプの奴はないんでしょうかねぇ。


ホームにはもう、既に他の参加者の皆さんが集まっておられました。初めて見る方も、すっかり見慣れた顔ぶれの方も。

そのまま電車に乗り込んでオフ開始。ただ、電車が向かう先が い き な り 名電各務原というのが問題でした。ありがとう銀ちゃんと蒼いの。略。


・・・えーと、そんなわけでいきなりいろいろありましたが次に向かうはモノレールですよモノレール。

このモノレール、ぶっちゃけ最初は余り期待していませんでした。どうせ遊園地の遊具の延長的なものだろ、なんて思ってました。



・・・ゴメン名鉄なめてた。



あまり丈夫そうには見えないコンクリートレールの上に載った車体が、のっそりと動き出します。と同時に、物凄い勢いで響き渡るのは何と釣りかけモーター音。

そして、不意に気付く車内の暑さ。頭上ではファンが回ってますが、これ、明らかに冷房ファンではありません。ファンのスキマから見えてるのはどうみても夏の青空です。


つまりは、釣りかけ非冷房車という最強の萌え要素を兼ね備えていた名鉄モノレール線。これはすごい。


しかもこの路線、どんどんと聳え立つ山を登っていくものですから堪りません。木々の間を抜け、車体に枝をこすらせつつグイグイと登るわ登るわ。正直ナメてました。名鉄モノレール、なかなかにクオリティ高いです。おまけに折り返しはまさかのオフグループ貸切列車化。


新鵜沼から犬山まで、特別車乗り放題の得点を持つまる乗り保持者は僅か一駅・2分だけの特急特別車乗車。しかも乗ったのはパノラマスーパーの先頭展望車、何ですかこの言葉に表わしようのないVIP感は。


犬山からは小牧線に乗って小牧。この路線の雰囲気、ある意味で学研都市線末端部に通じるものがあります。車両の新しさといい、地下線乗り入れ車両といい、単線区間の田舎っぷりといい共通点はかなりの多さ。

小牧からは10月で廃止となるピンチライナー・・・じゃなかった、ピーチライナーこと桃花台新交通


乗車前に食糧調達をすることになり、私含む数人は駅前のヨーカドーへ、他の方々はローソンへ。アクエリアス2リットルが158円だったので迷わず購入し、そいつを抱えて同じものを買ったid:nozorinneさんと一緒にレジ待ち。が、なかなか進まない列。

集合時刻に間に合うかどうか微妙になりつつあったので、時間の節約のために二人分の会計を一気に済ませます。店員氏は何の疑いも持たずに2本のペットボトルを一袋に詰め込もうとしたので、とりあえず袋をもう一袋リクエスト。


その後私が2人分×2リットル、重さにして単純計算で4kgのアクエリアスを引っさげながら他のヨーカドー班の方々と一緒に小牧駅へと猛爆走したのは云うまでもありません。そのあとピーチライナーの車内で購入物のうち半分にあたる1リットルを一気に飲み干したことも云うまでもありません。

夏場の水分補給は大切だということを身をもって示した気分です。



ピーチライナーはアレですね。とりあえず不思議な路線ですね。

新交通システムとしては初めて廃止になるらしいこの路線。「初めて」という言葉は何事にもいいものであるとは限りません。

列車は名鉄小牧線から大きく分かれ、まずは田圃の中。こりゃ乗客居ねぇわけだ・・・と思うのも束の間、何時の間にやら列車は直角カーブを繰り返しながら丘陵地に不意に出現したマンション街の中へ。

こう書くと案外に需要がありそうですが、悲しいかな名古屋は車社会。公共交通機関は押され気味な土地柄なのです。オマケにここは名神と東名の結節点である小牧JCTで有名な車交通の要所ときています。

やはり廃止の原因としては、建設時の見通しが甘かったというのがあるんでしょうかね。車両の銘板を見ると製造は平成2年、ちょうどバブルの絶頂期です。この頃は「とにかく何でも作れば儲かる」的な考えがあったのかもしれません。好況というものは、必ず長続きしないものなのです。


小牧原へ戻り、再び名鉄小牧線。単線高架の不思議な駅から先ほどと同じ電車に乗り込み、先ほどと同じルートを辿って犬山へ。更に先ほどと同じ犬山線各務原線を通って先ほどと同じ名電各務原。そして先ほどと同ようにダメ駅名標撮影会・・・なわきゃねーだろ。


この後は、ここからひたすら中部国際空港までパノラマカーこと7000系に乗って1時間半。


の、予定だったんですが。






なんですかこの銀色の電車は。




やって来たのはどう見ても銀色のステンレス車3150系って云うらしい)と赤い一般通勤車の併結4両編成。パノラマカーとは似ても似つかぬ、何の変哲もない通勤型車両です。帰れ。


真紅も銀様も好きですが、何もこんなときにまで来なくていいです。流石にこれには皆がっくり。こんなものに空港まで1時間半も乗り通す気にはなれる筈もなく、ここは急遽予定変更するべきじゃないか・・・という空気に。


結局、犬山〜金山〜中部国際空港、と特急を乗り継いでセントレアへ向かうことに。何だか私が言いだしっぺのようになってしまったようで、申し訳ありません>皆様


それでも、当初予定では乗れなかったはずのミュースカイに乗ることが出来たのは嬉しい誤算でした。いやぁ快適快適。



あ、刺しとくもの間違えた。


とにかく速いミュースカイ。このまま飛行機にでもなって空港の滑走路から飛んでいくんじゃないかというような勢いでひたすら常滑線を突っ走り、空港連絡橋をかっ飛ばしてあっという間にセントレアです。

ここから急行ですぐに折り返すのですが、これもまた速い速い。一般車でも余裕の110km/h走行、しかもかなり余力のある感じです。正直、これだけぶっ飛ばしてくれるとは思ってませんでした。


朝倉で下車。何が起こったのかはよく知らないんですが(嘘)、色々あったらしいですよ☆


そんなわけで色々と受難を受けた駅名標の代わりに、ここで撮ったパノラマカーでも貼らせて頂いてお茶を濁すことに致しましょう。



廃車間近のコイツが中部国際空港行きで走る期間って、結構僅かなのではないでしょうか。



ホームの遥か向こうでこんな擦れ違いがあったりもしたんですが、この遠さでは撮れるわけがありません。ホームにピント合っちゃってますし。


このとき擦れ違ってやってきたブック式サボタイプの7000系に乗り、太田川まで。先頭最前列にこそ座れませんでしたが、古さをさほど感じさせないほど良く整備された転クロといい乗り心地といい、流石は元祖パノラマカーです。


本来太田川で離脱する予定だったので、ここで離脱の挨拶・・・とご迷惑をかけたお詫びとしての名物土下座。知ぃらないっと。


が。

良く考えたら、ここで離脱した所で時間が中途半端に余るだけなわけで。瀬戸線に行くほどの時間もなく、かといって中央線の113系を撮るにも微妙。


さてどうしましょう。結論、知多半田まで一緒に行動。土下座損ってやつですねっ。


そしてそんなことを決断した瞬間、やってきた特急車の車番が1104だったものですからたまりません。一名様大喜び。

虻マジックなどと皆さんに云われましたが、私は土下座しただけです。たぶん。



知多半田で特急を降り、オフ隊の皆さんは上ゲ駅に行くべく普通に乗り換え。私はそうすると今日中に普通列車のみを乗り継いで「能登」に乗る事は出来なくなるため、ここで本当に分離。皆様、今日はお疲れさまでした。どうせまた暴走するかと思いますが次回も宜しくお願いします。


お、すげぇ私。オフレポできちゃった☆



さて、ここからは二日間+αにわたる私のソロ活動の記録をうだうだと綴っていくことになります。

お前の猛烈爆走旅行の経過なんて誰も見たかねぇや、と云う方はブラウザの×ボタンを押すことをお勧めいたします。と言いつつも見てくれないとちょっと悲しいので、鉄道関係に興味のある方々なら多少は楽しめると思われるような写真満載でお送りいたします。そんなわけで、お暇ならザッと見る程度の軽い気持ちでどうぞ。


知多半田で皆さんを列車併走ダッシュで見送ったのち、パノラマスーパーのやはり特別車で折り返し。何せフリー切符ですので、ちょっと高値だった分の値打ちを回収すべくやりたい放題やらせていただいております。許せ名鉄


金山で降り、ここからはひたすらJRでの移動が始まります。現在時刻まだ16時半、今日はまだ7時間半もあります。この間、普通列車だけを使っていったいどれだけ移動できるかが今日の課題です。

東海道本線で一駅だけ名古屋へと戻り、そして・・・



さぁ、香ばしいのがやってきましたよぉ?


猛然とホームに進入してきたのは、何と211系の新快速。土休日の上りに1本だけしか走っていない、非常にレア度の高い列車です。

コイツに乗り込み、今からはただひたすら東を目指して進む旅が始まります。


大垣区に2編成だけ所属する211系0番台のC1・C2編成限定運用となっているこの列車。

本来最高速度110km/hの211系0番台。しかし、この編成だけは一味違うのです。実はコイツ、高速車両のひしめく東海地域での運用に耐えうるべくブレーキ増圧改造やら制御回路更新やらといった改造を施された結果生まれた、120km/hまで出すことのできる「爆走仕様車」。


先頭がMcなので、モーター音を聴きつつかぶりつき。名古屋〜金山はこの列車にとってはまだ序奏のような区間ですが、それでも速度は110km/hほどの結構いい走りっぷり。


先ほどまで乗り倒していた名鉄を横目に見つつ、金山を発車した211系新快速。


列車はフルノッチでグイグイ速度を上げていきます。速度計の針は100を軽々と突破するも、運転士はノッチを切る気配すら全く見せず。そうこうするうちに列車は更に加速して行き、あれよあれよと云う間にMAX到達。流石に110km/hからの加速はしんどさが伺えましたが、そんなこと考えてはいけません。

時刻表で見ればよく分かるのですが、この列車、とにかくスジが立っているのです。東海のスジ屋さんは、211系だからといって情け容赦などしてくれません。この列車には終点豊橋まで、313系311系とほとんど同じダイヤで突っ走ることが要求されるのです。


そんなダイヤを全力で守るべく、必死で突っ走る211系。当然ながら床下からは悲鳴のような物凄い爆音、ドアはバタバタ車体はガタガタ。


しかも、120km/hになっても全然ノッチを切らない運転手。どうやらこの運転士、ノッチを入れ続けることによって限界速度での定速運転をやらかすつもりのようです。


こ、これが東海クオリティなのでしょうか。凄すぎます。



速度計の針を120km/hの位置にひたすらピッタリ保ち続け、なおかつ始終ノッチ全開で夕刻の東海道本線を何かに取り憑かれたような勢いでブッ飛ばす211系。正気とは思えないようなイカレっぷりですが、スタフに表示されてる各駅の時刻表示を見る限りはこれでもやっとの定刻運転。

一体どれだけ凄いスジを引いてやがるんでしょうか。こんな正気じゃない時刻設定で211系をしかも新快速で走らせることを決めたスジ屋さんと、そのスジを死に物狂いで守ろうとするこのウテシさんには花束でも送ってやりたい気分です。


蒲郡直前で擦れ違った対向の新快速は117系8連。東海の珍列車同士が、相対速度200km/h以上で一瞬の擦れ違いを演じます。これはヤバイ。


浜松の手前で先行列車に詰まったか何かで突如チンタラ運転になってしまったのは残念でしたが、そこまでの走りは本当に気が狂ったとしか思えないような勢いだったこの211系新快速。


爆走好きならば乗る価値は十分、いや十二分にあるかと思われます。



頭がおかしくなりそうな45分間の爆走体験は一瞬で終わり、豊橋では我に返ったように浜松行きに乗り換え。こちらも同じ211系でしたが先ほどまでとは打って変わってのんびりした走りだったので、浜松までバッチリ睡眠。その間の記憶なんてあるはずがありません。

浜松から静岡までの通称「東海道本線で一番だるい区間」は、間もなく引退する113系の7連。結構な長編成だったので、ラッシュ時だったものの最初から最後まで着席することができました。


コイツのモーター音はもはや聴き慣れた感が漂うものですが、これが気軽に聴ける路線がまた一つ減ってしまうのは寂しい限りです。


静岡からは有名なながら送り込み列車こと373系の東京行き。「一応」特急車両に、特別料金無しで乗れてしまうという非常に虫の良い列車です。

空腹に耐えつつ寝たり本を読んだりしてるうちにも、列車は東目指して快調に走っていきます。いつしか由比ガ浜も過ぎ、ワムハチがたむろする富士も過ぎ、三島を越えて気付けばもう丹那トンネル。ここさえ越えればもうJR東日本エリア、首都東京は目前です。もっとも、今日の行き先は東京ではないのですが。



久しぶりに聴く熱海駅発車メロディに見送られ、乗務員も代わって373系のそれなりに快適な旅もいよいよ後半戦突入。大船で目を開けると、そこには蒼い帯を巻いた209系。走るんですタイプの車を見ると、いつもながら東へ来てしまったことを実感します。


ずんずん進んでいくにつれ、E217系やら京急やら横浜線南武線205系やらといった、普段現物を見ることのない車両たちがどんどん目の前を過ぎていきます。そうなるともう終点は目前、高層ビルの林へ向かって373系は大都会の夜を突き進みます。


東京に着くも、息をつく暇などありません。すぐに京浜東北線に乗り換え、上野へ。


当初はこのままE231に飛び乗るつもりだったのですが、あまりの空腹の激しさに耐え切れず駅のコンビニでカップヌードルを買ってお湯を入れてホームでズルズル。関西の駅ナカコンビニには基本的にお湯の設備はないので、駅内で食うカップヌードルは何だか新鮮でした。

それこそ今テレビでやってるCMではありませんが、外で食うのが美味いんです。あれは。



そんなカップヌードルをすすりつつ片手でこんなものを撮影。ロクヨンかっこいい!



さて、コレをとった後すぐに私は高崎線新前橋行きE231系の中の人に。日曜の夜だからか車内は全く混んでおらず、お陰でデジカメの充電が順調に進みました。ありがとうございます。


深夜の高崎線を疾走すること2時間弱。通勤型4扉と云う、本来旅情の風情のカケラすらないはずのE231系という車両にすらもはや徐々に夜行列車チックな空気が漂ってきつつある状況。

ガラガラの車内、響くモーター音、レールを刻むジョイント音。ですが、真の夜汽車旅はこれから。


このあと高崎から乗る列車は今や珍しい急行「能登」。489系ボンネット車を利用した、首都圏〜北陸間夜行の残影を未だに残す貴重な列車です。


高崎で僅かなサラリーマンや兄ちゃんたちと一緒に列車を降りると、向かいには先ほど熊谷でこの列車を抜いていったムーンライトえちごが停車中。車内はほぼ満席、人気の高さが伺えます。



今日私は18切符を持っているのですが、それに指定券を足すだけで乗れるこの列車には乗りません。その代わり、18きっぷでは使えないはずの急行列車に乗り込むのです。えも云われぬ、ちょっとした優越感。


やがて定刻1:01、3灯のライトを輝かせた列車は高崎駅のホームへ入ってきました。


風格漂うボンネット形の先頭車が眼の前を過ぎていき、9両編成の列車がゆっくりとホームに横たわります。



前の方に繋がれている自由席車に乗り込み、2列連続で空いている席を見つけてシートを向かい合わせに転換。贅沢にも4人分の座席を一人で占領し、足を伸ばして横たわります。これぞ素晴らしき、夜行列車の正しい乗り方。


ここまでの行程でも結構寝ているはずなのですが、目を瞑るとやはり疲れが出たのか眠気が徐々に襲ってきます。眠たい目をこすりつつ寝過ごし防止のため携帯の時報をセットすると、すぐに意識は夢の彼方へと飛んでいきました・・・。


明日へつづくっ!