雪中琵琶湖周回臨死ツアー

何で私はこんなところに。


と叫びたくなった一日でした。おかげさまで。

最初は琵琶湖大回りなどに行くつもりはこれっぽっちも無かったんですよ。本当に。

ただ、環状線ので今日から運用を開始した201系オレンジともうすぐ吹田に戻されて塗り替えられるという噂のブルー201系を撮って、本線の201系と205系も撮れたら撮って、京阪の2600系爆走K特急おりひめも撮れたらそれでいいと思ってたんですよ。


というわけでとりあえず201系の写真。4+4の8連、いきなり先頭車封じ込め編成ですか。どこぞの京葉線みたいなことをおやりになられております。

幕回し途中に撮影したので、西九条などといったワケワカラン幕が出ております。どーでもいいことなんですが、この撮影時に隣の同業者が「涼夏のDVDがどうの」とか云ってて噴きそうになりました。ゴメンナサイ。



そして、今日のもう一つのイベント=琵琶湖行きの発端は拾得物でして。

今朝、一枚の切符を拾ったわけです。駅の券売機あたりで。それも、回数券。

もう


「大回りチケットキタワァ*・゜・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜・* !!!!!」



ですよ。回数券での大回り乗車は可能なわけで。



というわけで諸都合によりいきなり話は草津駅に飛びます。

草津打ち切りになった新快速から放出された人々+電車の遅れにより、一層慌しさが増した草津の駅。
普通電車は米原まで行ってくれるようですが、その普通電車も遅れてていつ来るのか分かりません。駅構内には雪が数センチ積もり、風は容赦なく吹き付けています。

頭上を見る限りは青空が広がっています。が、線路の延びている列車の進行方向=即ち北の方を見遣ると、どんよりとした雲が空一面に広がっている状態。青い空と灰色の雲の境界線が、くっきり浮かび上がっています。

あそこから先は低気圧が支配する世界です。やがて遅れていた221系の普通が到着、灰色の重たげな雲の下へ向かって走り出します。

予想通りに近江八幡辺りから降り始めた雪は一駅進むごとに勢いを増し、能登川では猛吹雪。勿論のことながら線路はすっかり雪に覆われ、先ほどまで見えていたバラストも今やすっかり真っ白です。積雪は20cmは軽くありそうな勢い。

途中、とうとう注意のため駅間65km/h制限がかかり始める始末。車外には物凄い勢いで降り続ける雪。帰れるのかどうか不安になってきました。


その制限も南彦根で解除、電車は再び先ほどまでの勢いで120km/h走行を開始します。擦れ違う新快速も雪煙を上げつつ、決死の雪中大爆走。素晴らしいです223系。

米原には結局10分延で到着。大垣方面への東海道本線ダイヤはこちらに増してズタズタなようで、電車に乗れない18切符ユーザーが雪降り積もるホームに大挙して固まっています。これでようやく来た電車が313系の2両編成だった日にはもう暴動必至です。


それを尻目に、私は長浜行きの電車へ乗り込みます。新快速は打ち切りやら遅延やらでほぼ走っていないに等しい状態なので、223系の4連で長浜⇔米原をピストン運行している模様。幕はちゃんと「新快速」になってた・・・ってことは、これはいい 4 連 新 快 ですね。乗車記録が非常に楽しいことになりそうです。


電車は平然と20分遅れで長浜へ向かって動き出します。もはや無ダイヤ状態。

隣のホームでは「しらさぎ号は只今2時間以上の遅れで云々〜」などといった恐ろしい放送が垂れ流されておりました。特急料金返還乙。

223系はひたすら雪原を突っ走り、10分少々で長浜へ到着。ホーム先端に接続列車が停まって・・・ないんですが。


結局、雪まみれのホームで待つこと数十分。爆走しつつ通過していくしらさぎに雪をぶちまけられて身の危険を感じたりしながらも、私は耐えました。頑張りました。

やがて流れる放送。鳴り始める踏切。近づいてくる2灯のヘッドライト。おぉ、デカ目!


コイツが救世主に見えてしまった2005年12月19日の昼過ぎ。チャリのために手袋を常時カバン内に装備しておいたのは正解でした。


デッキの扉を開けると、暖かい空気が体を包んでくれます。冬の旅を実感する一瞬です。

次の列車との接続を取ったのち、40年近く前に製造された元急行形電車は敦賀に向けて雪原を走り出しました。一旦惰性走行に移って交直セクションを通過した電車は、更に速度を上げて降りしきる雪の中をグイグイと爆走していきます。流石は元急行形、100km/hを優に超える速度を出してひたすら白い世界を突っ走る姿はただカッコイイの一言。


凍りつきそうな余呉湖を左に望みながら走ると、近江塩津はもうすぐです。短いトンネルの合間から湖西線の高架線路がチラチラと見え始め、やがて二つの線路は互いに交差します。近江塩津到着。

この電車は敦賀行きなので、大回りの規則上ここで降りねばなりません。次の湖西線方面行きの普通列車は40分以上後。ちょっくら凍ってきます。


ホームに降り立つと同時に襲ってくる猛烈な風。山がすぐ側に迫っているので、とにかく風が強いのです。

雪は先ほどから降ったり止んだりを繰り返し、強く吹き付ける風と相まって吹雪になることもしばしば。線路上ではスプリンクラーがクルクルと回り、懸命に雪を溶かしています。そして、全く除雪がなされておらず雪が軽く60cmは積もっていようかというホーム端へ独り延々踏み込み、そんな中でひたすら雪中撮影を強行する私。どこから出てくるのでしょうかこの精神力は。もっと他の方向に使いたいものです。


40分の間に上り下り合わせてEF510牽引貨物、419系トワイライトエクスプレスサンダーバードの4本が通過。まぁ、それなりの収穫はありました。

寒さで頭が相当やられているので構図を考える暇もなく、傾いた写真を大量生産してしまったのはアレでしたが。


あー、そろそろ屋根のあるところに引き上げないとさすがにヤバイかもなぁ・・・と思った瞬間、ちょうど接近放送が流れ始めました。敦賀方から迫り来る、2灯のヘッドライト。 助 か っ た 。


車内に入った瞬間、やっぱりこの車両を崇めたくなりました。ってかさっきと同じ車両なんですけど。敦賀まで行って戻ってきたわけですね。


再び交直セクションを通過、トンネルの続く湖西線を突き進みます。永原駅も雪まみれ。
京都から走ってきたカボチャ色の113系が、一面の白い世界にポツンと佇んでいました。


車内で週刊ポストを拾ったりしていると、近江今津到着。やはりまだ景色は雪、雪、雪。

5分後に新快速が接続しているのですが、あえてパス。もうこうなりゃヤケなわけで、徹底的に自分をいぢめてやります。 撮 影 モ ー ド ス タ ン バ イ O K 。


雪の中の撮影の露出補正など、不慣れな事ばかりです。もっと+に振らないとダメなんですね・・・。

車内で撮ったこの写真をよく見てみると、何か違和感が。・・・あ、よく見ればコイツは黒Hゴム車じゃないですか!
京キト唯一となってしまった黒Hゴム車。運良くこんな所で当たれるとは・・・。


で、乗車。M車の揺れに身を任せます。
安曇川で退避だそうで、側線に入っていきます。車掌さん曰く4分停車とのこと。ホーム端を見る限り、電柱が1本邪魔になる程度で写真が撮れないわけではない感じ。・・・やるか。

雪煙を上げながら疾走してくるサンダーバード。ガクガク震えながらも、押さえました。


琵琶湖を見つつ、113系は雪の中を進んでいきます。堅田あたりからはものの見事に爆睡してしまい、気付いた時には京都に着いていました。

新快に乗り換えよう・・とすると、燦然と輝く「15分遅れ」の文字。まぁ雪ですし。不可抗力ですし、そのへんはねぇ。責めてあげちゃダメです。現場は頑張ってるんですから。

というわけで、快速で大阪まで移動。やっぱり爆睡モード。後はいつも辿る道を通って家へ帰るのみですが、いつもと異なるのは靴がやたらと重いこと。雪中行軍の勲章です。