キハ65「かにカニ北近畿」乗車。

田舎からの帰り、列車の都合で思いがけずかにカニ北近畿に乗車することになった。
急に国鉄気動車に乗れることになったわけで、願ってもないことである。本当。

香住から大阪までの全区間乗車だったわけだが、香住発車時点での2号車の乗客は自分&妹含めて僅か4人。えげつないくらいのガラガラっぷり。

それでも荒れる日本海を望みつつ非電化区間を抜けた城崎からはかなりの乗客が乗ってきて、車内は活気付いたわけだが・・・

前に居るオバハン軍団がもー五月蝿いことこの上なしなわけで。ちょっと活気付きすぎ。


おまけに妙にエンジン音がしないなぁこの車両、と思っていたらなんとエンジンカットされているようだ。
要はこの2号車・キハ65-1711だけエンジンが作動されていない=3M1Tでの運転。

ディーゼルヲタにとっては何物にも代え難いくらいの酷さである、これは。orz。
せっかくDML30HSDサウンドを聞きながら乗ろうと思っていたのに。。


仕方がないので爆睡する妹を席に放置して中間運転台へ移動。許せ、妹。
ここならエンジン音もバッチリ聴けて、おまけに速度も確認できる・・・と。

もう萌え萌え。

豊岡〜八鹿通過・篠山口〜三田・尼崎〜大阪間で中間運転台に居た(それ以外は妹とアホな話喋りまくってました)わけだが、臨時列車の癖に飛ばすのであるコイツ。


豊岡から篠山口までの25mレールの上を激しくバウンドしながらすっ飛ばす95km/h走行も良かったが、やはり複線・ロングレール・電化路線、という条件が揃った路線をディーゼルカーが猛然と突っ走っていくのは「最高」の一言に尽きる。


しかもこの中間運転台、助手席部分が開放されている。
助手台=つまり椅子を出して座れば、ちょっとした乗務員気分になってしまう。
乗務員用扉の窓も開けることが出来るわけだが、勿論首を出しちゃうとご法度。
但し、警笛弁にはくれぐれも注意!*1以前、キハ40とキハ58でやらかした。

数分遅れて篠山口を発車、一両トレーラー状態なのに結構な加速でグイグイと速度を上げていき、やがて最高速度95km/hに。
このエンジンは500ps・1600rpmとかなりの強力型なので、最高速度を出していてもまだ余力のあるような感じすらする。

最高速度120km/h、実際はもっと出せるキハ181系と同じエンジンを積んでいるわけで、当然と言えば当然なのだが・・・

しかし、やはり95km/hといえば急行形車両にとってはかなりの高速走行。エンジン性能は確かに凄いものの、ブレーキ・車両はキハ58とほぼ同種なものであるキハ65の車体は激しく揺すぶられている。

国道を走るクルマを猛然と追い抜きながら、「急行形」キハ65系の「特急」は雨降りしきる闇夜の福知山線を突き進んでいく。

時折、下がった速度を取り戻すために再加速を繰り返す。
その度に力強いエンジンの回転音が聞こえ、それに時間を忘れて聴き入る。

遅れを取り返すために常に85〜95km/hのトップスピードを維持しながら爆走、小駅を次々に通過していく。
遅れていなくても篠山口〜三田間を19分、DCにはかなりきついスジなので無理もない。

新三田207系普通より先行、ラスト一駅で三田。ここで渾身の再力行!

常時全開走行のキハに乗ることなど本当に久しぶりだったので、20分間我を忘れて助手台に座ってしまった・・・大人気ない限り(苦笑)。


・・・が、それだけでは終わらなかったらしい。
遅れを完全に回復して尼崎に到着した後、どうも発車しないと思ったら線路を共有している新快速の遅れの影響で終点を目前にして4分遅れに。

新快速発車後すぐにポイントが変わり進路開通、発車!

普段は通勤電車ばかりが発着する尼崎駅に、国鉄テイストがバリバリ漂うエンジン音を反響させながら発車。
神崎川の堤防へ向かって猛然とダッシュしていく。気動車というものは全車両のエンジンが作動していてナンボなものなので、3M1Tは流石に苦しそう。

ずっと力行を続けながら鉄橋を渡り終えたところ、横を201系が抜いていく。
電車と気動車を競争させることが余りに酷なことは分かっているのだが、ついつい「負けるな」と念じてしまう。
しかしこちらは精一杯に飛ばしても現在90km/h、対する201系も遅れているので容赦なく100km/hもしくはそれ以上のスピードで突っ走っている。一両、また一両と抜かされ、やがて201系の最後尾が離れていく。

仕方が無いとは言え、やはり悔しい。
塚本駅が迫り、あちらが速度を落とした横をすり抜けて何とか追い抜く。

下淀川鉄橋上で最後の再加速、速度は95km/h!
トラスを渡るけたたましい音とエンジン音が反響し、デッキに容赦なく入ってくる。

川の上からは光り輝きながら立ち並ぶ大阪のビル群が良く見える。山陰から列車に乗って大阪に着いた時、最も「帰ってきたなぁ・・・」と感じる風景。

やがて速度を落とし、終点大阪に3分遅れで到着。

香住から3時間半以上、終点まで乗り通した客は2号車では私と妹だけだった・・・。



<おまけ>「かにカニ北近畿4号」で鉄ヲタがやってはいけないこと

  • 表定速度の計算(悲しくなります)
  • 車番チェック(急行形です)
  • 列車種別の再確認(それでも特急なんです)
  • 車内設備チェック(もういい加減ガタが来てます)
  • 乗り心地を気にすること(コイルバネなので諦めてください)
  • 展望席の指定券ゲット(夜なのでカーテン閉められます)
  • 特急料金返せコール(嫌なら北近畿乗ってください)
  • エンジン上の席を指定(駅員にマークされる危険性もある諸刃の剣です)*2

*1:足元に警笛ペダルがあって、押したら簡単に警笛(「プワ〜〜ン!!」って鳴るアレ)が鳴ってしまうわけで

*2:いや、いくら何でも私はそんなことしませんよ?(笑)