箱男伝説
一時間目、数学。今日から指数関数。
いつもどおりに授業が終わり、起立・礼のパターンで終了――
礼も終わり、にわかに教室がざわめき出したその瞬間。
・・・何と、教室後部の掃除用具入れロッカーから人間が突如のっそりと出現、足早に教室を後にしていくではありませんか。
彼の正体は3組のH。一時間目の体育の筋トレが嫌だったから一時間目の間中ずっと我等が4組のロッカーに引き篭もっていた模様・・・。
何よりも、あんな狭い所に一時間ずっといた彼の精神力に乾杯。
彼が去っていった後のクラスは、隠れている事を予め知っていた人間は「あいつ、ホントにやりやがったよ」「報奨金はうまい棒10本だな」と急に活気付き、知らなかった人間は「ぽかーん」な状態と見事に二分されておりましたと。