急行みそら地味ツアー

乗ってきたです、美空さん


やっぱり「かすが」と名の付くものは皆陰キャラなのです。


学校へ行くのと同じ時間に最寄駅を出発、環状線で立ち寝。ラッシュ時の大阪で1分乗換ダッシュを成功させ、新大阪で着席した後は草津まで爆睡モード。


草津で乗り換えた113系はやっぱりオールカボチャ4連。発車の15分以上前からホームに止まっているにもかかわらず、ドアは半自動扱いじゃないってどういうことですか。あれ、非常に寒いのです。


やっぱり跳ねまくるカボチャの車内でまた爆睡していると、あまりに激しい揺れのせいで頭を窓枠にぶつけ、気付いた時にはタンコブができていただなんて口が裂けても云えません。アイタタタ・・・。


柘植で「おかえりなさい」と大書きされた跨線橋を渡り、長閑な伊賀盆地の中を単行のキハ120に揺られること15分。列車は、伊賀上野駅に到着します。


町の中心部からは離れたところに位置するこの伊賀上野駅。中心部へはバスを使うか、駅の隅からひっそりと発着している近鉄上野線を使っていかねばなりません。

近鉄上野線は関西本線列車と上手い具合に接続するようダイヤが組まれているようで、私が乗ってきた列車からもそれなりの人数が2両編成の小ぶりな電車に乗り継いでいきました。



コイツが出ていくと、急行かすがの到着まで伊賀上野駅に列車は来ません。一気に静まった駅構内。

空は一面晴れ渡り、こんな日は絶好の大回り日和です。
その「かすが」は行き違いをするわけでもないのに、何故か駅本屋から一番遠い4番線発着とのこと。本来下り列車は1番線に発着する筈なんですが、何か理由でもあるのでしょうか。流石は「かすが」という名前が付いてるだけあります。まるで美空さんみたいな扱いです。


撮影アングルを考えたりしていると、ほどなくして駅外れにある踏切が鳴り出しました。


はい、美空さんご降臨ー。今日は豪勢にも、指定券を奮発しています。ま、閑散期で通常より200円引きだからなんですけどね。
おまけに急行券は50kmまでなので一番安い530円、指定と合わせても840円。記念乗車ということで、このくらいの出費がギリギリです。。


あ、柘植から伊賀上野まで普通に乗ったのは勿論ながら急行料金の節約のためですよ?*1貧乏学生としては、極力そのあたりでの出費は抑えたいのです。


指定された座席に落ち着くと、カミンズ社製エンジンの爆音を上げながら列車は動き出しました。

伊賀盆地の外縁にある山を、列車は苦もなくグイグイと登っていきます。

車両はJR東海で快速・普通用として運用されているキハ75ですが、こうして急行に使われていてもさほど物足りなさは感じません。シートは倒れこそしないものの、よく手入れのなされた転クロです。

この一枚に、「かすが」が全て凝縮されていると言っても過言ではありません。吊革付きでキハ75の急行、そのくせ立派に指定席付き・・・。


指定席の1号車は意外にも、8割ほどの乗車率を示していました。まぁ、ほぼ全員鉄ヲタとみて間違いなさそうでしたが。

あ、自由席の方もそれなりに乗ってましたよ?


当然ながら車内広告は「JR東海ツアーズ」、扉の上の路線図は「関西・紀勢・参宮線」と「東海道本線武豊線」。ここはどうみても西管内なだけに違和感バリバリですが、こんな体験ができるのもあと一月余りとなりました。


晴れ渡った空の下をキハ75は快調に走り、各駅を小気味よく飛ばしていきます。

加茂からは電化区間、架線の下を221系103系に交じって走ります。木津で新塗色の207系をチラッとかすめると、終点の奈良はもうすぐそこ。


奈良に着いた後はお決まりのプチ撮影会。といっても人数が人数なので、殺伐な空気など漂うはずがありません。至って平和なものでした。流石美空さん、最後まで地味キャラを押し通す気ですね!


というわけで、車内設備も地味(まぁ快速用車両ですし)、編成も地味(まぁ2両ですし)、走行路線も地味(まぁ関西本線ですし)、行先も地味(まぁ奈良ですし)。まさに春日美空のキャラ性とパーフェクトにダブってしまうこの急行かすが


廃止までに是非一度、お試しあれ。あの地味さは病みつきです。

*1:柘植からだとギリギリ50kmを越えてしまい、730円になる