出雲バルブと早朝キハと。

6時10分頃に母方の実家を爺ちゃんに見送られながら出発、豊岡駅までは歩いて数分。改札口には誰も居ません。


駅外れでは、北近畿タンゴ鉄道ディーゼルカーたちがエンジンをかけて待機中。側線では113系や183系といった山陰電化区間の主役がパンタを上げ、間もなく始まる運用に備えています。

そんな朝が始まったばかりの豊岡駅に、コイツは定刻通りやってきました。



3レ寝台特急出雲、出雲市行き。ハイビームでも何でも構いません。三脚を構え、もう無我夢中で撮影です。出雲をバルブできるのは、これがほぼ間違いなく最後の機会となるのでしょうから・・・。


6:20着、22発。そんな2分の停車時間なんて、あっという間です。気付いたときには私はもう、夜が開け始めたばかりの青い世界の中を流れ行くオハネフのテールサインを見送っていました。



そして私は、その出雲を追うようにして発車する、山陰本線始発浜坂行きの車中の人となります。

キハ47・2両編成のこの列車ですが、土曜日ということもあって人影はまばら。ワンマンで乗り降りに便利な1両目に4,5人、2両目に至っては私とあと1人だけ。


雪で白く染められた枕木を踏みながら、2両編成のディーゼルカーはまだ夜の明けやらぬ豊岡を発車しました。円山川に沿いながら北上し、10分ほどで城崎温泉。ここで数人が降り、気付けば2両目の乗客は私ただ一人。キハ47を一両丸々貸切です。


そんな貸切状態の列車は、竹野を出ると日本海と絡むように進んでいきます。

擦れ違った豊岡方面行きの列車は高校生の通学列車としてかなりの賑わいを呈していましたが、こちらは実に静かなもの。エンジン音が、レールを継ぐ音に調和します。


やがて、山間の人家も見当たらぬような場所で不意に停車した列車。対行列車を待つため、信号所での停車です。

不意にカーブの向こうから姿を現した「対向列車」の正体は、香住で先ほどの出雲と擦れ違った大阪行き1D「はまかぜ1号」。山間にエンジンの爆音を残しつつ、まさしく風のように走り去っていきました。奴の大阪着は10:27、恐らくあちらはすっきりとした青空が広がっていることでしょう。山陰は、今日も曇りです。


佐津を出てトンネルを2本抜けた列車は、カーブの途中にある小さな駅に停まります。入り江と山に挟まれた、波の音しか聞こえないような、本当に小さな駅。


そこで下車、本日の乗車はこれでおしまい。


黒煙を吐いて走り去るキハ47を見送ったあと、波の音をBGMにしつつ、霧被る山を望みながら歩いて実家へと向かいます。さて、今日の朝飯は何でしょうか・・・。